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【大阪市編】連棟長屋は建て替えがよい?リノベがよい? – 切り離しリフォーム(改築)についても解説

連棟式住宅には隣地とつながった共有壁があり、壁を切り離し分離できるかどうかがネックになります。連棟式住宅のリノベーションでは、「切り離さない」という選択肢が一般的です。
一方で、「切り離す」という判断が可能であり、全てを解体してから行う「建て替え」という選択肢と、躯体を残して行う「スケルトンリフォーム/切り離しリフォームまたは改築」という選択肢もあります。

今回は、長屋にお住まいの方、連棟長屋の中古住宅を購入検討中の方に向け、居住空間を一新したいときの選択肢を説明します。

目次

1. 長屋の暮らしと居住空間の一新

そもそも長屋とは、一つの建物の中に複数の住戸が作られている住宅のことで、集合住宅の一種です。『連棟長屋』や『連棟式住宅』とも呼び、一戸建てで独立しているのではなく隣の家と壁を共有する構造が特徴です。

連棟長屋は築年数が古いため、耐震強度や外観・内装が時代に即していないことが多く、切り離しや建て替え、リノベーションを考える方は少なくありません。

また、大阪市では中崎町や豊崎など、長屋や古民家で有名なエリアがあり、 古い建物を活かしつつお洒落なリノベーションを施した店舗などもよく知られています。

住宅の場合、住み手が変わるときや中古住宅として購入する際に、居住空間を一新する方法として「切り離し」「建て替え」「リノベーション」のどれがふさわしいのかというお悩みがある方も多いでしょう。どちらを選択するのか悩んだ場合は専門家に相談をするのが早いですが、一般的な内容をこの記事でチェックし基礎知識を身につけましょう。

2. 連棟長屋の切り離しは可能か?

連棟長屋に住んでいる場合や住むことを検討している場合、気になることが連棟長屋を切り離せるのかという点です。そこでここからは連棟長屋の切り離しの可否について、メリット・デメリットとともに解説します。

2.1連棟長屋の切り離しは建て替えと同義になる

連棟長屋の切り離しは、その工事内容から建て替えとほぼ同義です。リフォームやリノベーションよりも大規模な工事になり、確認申請や、道路交通法における建築面積の確認などが必要です。
また、連棟長屋は壁を共有していることから、隣家はもちろん長屋に住む住人にも影響します。そのため、全住人から建て替えの許可を得る必要があります。

2.2 切り離しの設計と確認申請

切り離しをしたい場合は、連担建築物設計制度の下で申請が必要です。
長屋の場合、法律上、複数の住宅全体が一つの建築物であるとみなされます。そのため、ほかの隣人宅の所有権や許可なしに、一つの建物を更地にしての再建築ができません。それを救済するものが連担建築物設計制度です。

連担建築物設計制度では、特定行政庁から建物の位置や構造、案税制などに問題ないと判断された場合、複数の住宅全体を一つの建築物としてでなく、複数の建築物であると認定されます。これにより、長屋でも建て替えが可能になります。
ただし、連担建築物設計制度の申請を行うためには、長屋に住む全住人の承諾や敷地の境界画定が必要です。

3.1 切り離しのメリット

建て替えを選択するメリットは、施主様が自身の建物として独自のオリジナルプランで建てられることです。
連棟長屋の場合、リフォームやリノベーションをしても隣の家に干渉してしまうため自由な設計は困難です。しかし、完全に隣の家と離れれば自由に住宅を設計できるため、住みやすく好きなデザインの住宅を建築できます。

2.3 切り離しのデメリット

連棟長屋を切り離すことにはいくつかのデメリットがあります。たとえば、大阪で連棟長屋を切り離すデメリットとしては、狭い道路を広げるため敷地がより狭くなる点が挙げられます。
建築基準法の接道義務により、4m幅以上の道路に対して土地が2m以上接地しなければなりません。現在の建築基準法が制定される以前に建築された長屋では接道義務を満たしていないため、建て替えると適切な道路幅を確保するために、土地を交代する必要があり、その分建物が狭くなります。

また、建て替え時には両方の家に壁を新設する必要があるため、その分住宅が狭くなります。

ほかにも、今まで以上の補強をする必要があり、費用がかかることもデメリットです。

3. リノベーションという選択肢

連棟長屋の場合、住宅を建て替える以外にリノベーションをするという選択肢もあります。リノベーションの場合は建て替えのように住宅が狭くなることもなく、費用も抑えられます。
耐震補強工事や補修が必要となった場合も、新たに住宅を建て直す建て替えと比べると費用は安価です。

なるべく費用を抑えたい場合や住宅が狭くなることを避けたい場合は、建て替えではなくリノベーションという選択肢も視野に入れてみてはいかがですか。

4. 切り離しをしない・古い建物を活かしたリノベ

連棟長屋を切り離したいと考える理由の一つとして、建物が古くなったことが原因の場合もあるでしょう。古くなった連棟長屋は切り離しをせず建物を生かしたリノベーションがおすすめです。

ここからは、フルリノベーションのメリットや確認申請の有無について解説します。

4.1 「狭くなるから」建て替えをしない

大阪には、戦時中に焼けずに残ったことで、長屋の多いエリアがあります。このエリアでは、実は建て替えをしない選択肢の方々が多いことが現実です。

連棟長屋で建て替えをしない選択をする理由は、住宅が狭くなるためです。前述の通り、建て替えをすると、新たに壁を作る必要があることや、道路から後退して建設しなければならないことから住宅が狭くなります。

住宅が狭くなると住みづらくなるなどの不便が生じるという理由で、建て替えを選択しない人が多く存在します。

4.2 フルリノベという選択肢の場合、確認申請は不要?

フルリノベーションを選択した場合、確認申請が必要なケースと不要となるケースがあります。確認申請が必要なケースと不要なケースはそれぞれ以下の通りです。

確認申請が必要なケース

  • 10㎡以上の増築工事
  • 準防火地域、防火地域の増築工事
  • 「木造2階建て以下の住宅」以外の大規模な修繕や大規模な模様替え

確認申請が不要なケース

  • 「木造2階建て以下の住宅」の工事
  • 「木造2階建て以下の住宅」以外で、外壁の塗り替えや内装・設備の変更といった工事
  • アパートやマンションなど集合住宅の住戸内のリノベーション

4.3 長屋フルリノベーションのメリット

長屋をフルリノベーションすることにはさまざまなメリットがありますが、主なメリットは以下の通りです。

  • 元の建物を活かせる
  • 古民家の雰囲気になじませる形で、味わいのある住空間を楽しめる
  • 住宅が狭くならない

h3:4.4 大阪市の事例/長屋住宅リノベーション

大阪市でも実際に長屋住宅でリノベーションした事例が複数あります。
以下は大阪市の事例の一部です。

・孫家族が暮らすためにフルリノベーションをし、昔ながらの長屋がおしゃれで好みの空間になった。

・長屋ならではの狭い玄関にコンプレックスを抱いていたが、玄関ポーチを変えて景色や二階通路などをリノベーションすることで、コンプレックスがお気に入りの場所になった。

5. 「壁は切り離すが 建物は解体しない」レアパターン、スケルトンリフォーム (改築)

建て替えはできないものの、壁は切り離したいという場合もあるでしょう。この場合は、スケルトンリフォームというリフォームを選択する方法が有効です。
しかし、スケルトンリフォームは珍しいリフォームであることからどのようなものなのかご存知ない方も多いでしょう。

ここからは、スケルトンリフォームの概要やメリットとデメリットをご紹介します。

5.1 建て替えはできないが、壁は切り離したい

建て替えはできないものの、壁は切り離したいという場合はスケルトンリフォームが最適です。
スケルトンリフォームは建て替えとリノベーションの中間のようなタイプの工事であり、骨組みだけを残してリノベーションする方法です。骨組みだけ残すことで、建て替えはできなくても壁は切り離せます。

5.2 躯体を残したスケルトンリフォームという選択肢

建て替えはできないものの、間取りの変更や耐震性に不安を感じたときの選択肢としておすすめなのがスケルトンリフォームです。
そもそもスケルトンとは英語で「骨組み」という意味であり、不動産やリフォーム業界では住宅の内部や外部、または両方を解体して柱、梁、床といった建物の要となる「躯体」のみにした状態のことを指します。

5.3 スケルトンリフォームの費用・建て替えとの比較

スケルトンリフォームは、建て替えるよりも費用を大幅に抑えられます。工事の内容にもよりますが、相場としては新築の2分の1から3分の1です。
同じ切り離しの工事と比較しても安価であることから、リフォームやリノベーション以外の選択肢としてスケルトンリフォームもおすすめです。

5.4 スケルトンリフォームのメリット・デメリット

スケルトンリフォームのメリットは、建て替えるより費用が安いことや新築同様の住み心地にできることです。

一方で、リフォームよりも高額になりやすかったり、大掛かりな工事になることから工期が長いといったデメリットもあります。

6. 総括 – 建て替えか、リノベか、躯体残しのスケルトンリフォームか

ここまで、建て替え・リノベーション・スケルトンリフォームについてそれぞれ詳しく解説してきました。では、連棟長屋ではどのリフォームを選択するのが正しいのでしょうか。

リフォームを選択する基準は優先順位にあります。そこで最後に、それぞれのリフォームを選択すべきケースをご紹介します。

6.1 たとえ狭くなっても連棟式住宅を脱したいなら「建て替え」

まず、住宅が狭くなっても連棟長屋住宅を辞めたい場合は建て替えがおすすめです。建て替えは新たに壁を設置する分住宅が狭くなりますが、完全に切り離すことができるため連棟長屋を脱することができます。

6.2 街並みを残し古い建物の佇まいを活かしつつ居住空間を一新する「リノベ」

住宅が狭くなることを避けたい場合や、古き良き住宅を守りたい場合はリノベーションがおすすめです。なぜなら、リノベーションは現在の建物を生かしてリフォームするからです。
新たに壁を設置することがない分住宅が狭くなることはなく、かつ街並みを残して古い建物の佇まいを生かしたリフォームができます。

6.3.費用が大幅に増えても狭くしたくない・隣とは切り離したい・補強をしつつ元の建物を活かしたい「スケルトンリフォーム」

費用がかかっても完全に連棟長屋を辞めたい場合や、補強をしつつ元の建物を活かしたい場合は、壁を切り離すスケルトンリフォームが最適です。スケルトンリフォームであれば新たに住宅を建て直すことができます。
自分の好みの住宅にリフォームでき、住宅が狭くなることもありません。
ただし、ほかのリフォームと比べて費用は高額です。

6.4 居住空間の一新は専門家に相談

居住空間を一新したいものの、どのリフォームが良いかわからないとお悩みの方もいるでしょう。この場合は、専門家に相談するのが最も簡単で有効な方法です。

建て替え、リノベ、躯体残しの改築、どのケースの場合も、和光ホームズでご要望を承ることができます。大阪市で居住空間の一新をお考えの方は、お気軽に和光ホームズにご相談ください。

 

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